鎌倉ごみ問題-5-CO2の排出量
前回のブログ山崎バイオマスエネルギー回収施設-3で書かせていただきました、当該施設のCO2の排出量について、環境部から下記資料の提出がありました。
*現状のまま2焼却炉で処理した場合
CO2排出量 21,374t/年
*山崎バイオマスエネルギー回収施設+名越焼却炉で処理した場合
CO2排出量 19,238tt/年
二酸化炭素排出量が年間2,136t少ないと言う数字が示されています。
単純に読み取るとCO2排出量約1割削減となります。
しかし、中身を読み取るとかなり疑問に思う事があります。
・前提条件の山崎浄化センターの数値ですが、計画値→下水処理量38,660㎥/日・二酸化炭素排出量10,601,000kg-CO2/年、現状値→下水処理量28,394㎥/日・二酸化炭素排出量7,450,581kg-CO2/年となっています。
下水処理量の現状値は計画値の73.44%しかありません。
下水の処理はすべて計画にもとずいて動いていますので、というきわめてわからない説明でした。
ここがちがっていたら当然結果がちがってくるはずです。
なにかおかしくありませんか?
特に発電量と重油の使用量がちがってきます。
バイオの施設を作った場合ここでCO2のマイナスが大きくはかられています。
現状数値で計算して発電量が70%程度になったら・・・
まったくちがう結果になります。
そもそも生ごみを1万3千トン処理すると言っていますが、そんなに集まるのでしょうか?
・①のごみの量が平成19年のまま推移するのに、下水処理量は平成33年には3割近く増えるの?
人口減少、高齢化なら減るはずです。
そもそも、ごみの量が平成19年のまま推移するって、削減するつもりはないのでしょうか?
・莫大な税金を使って処理施設を建設すれば、それに見合う量のごみ処理を一定期間続けなければいけなくなります。
施設を作るというその場しのぎの対処療法をする事で、ごみの発生抑制を行う必要性が薄くなり、問題の根本治療はできず、環境汚染と共に次世代に持ち越される事になるのです。
・④ごみの収集についてですが、新たに週2回の生ごみを別収集する事と個別集を導入する事で、パッカー車の使う燃料は大幅に増える事が予想されますが、この資料の計算では1.14倍として設定されています。
なにかおかしくありませんか?
・電力の発電時のCO2の排出係数は東京電力の係数を使っていますが、山崎浄化センターに使用されている電気が、どのような方法で発電されているかによって数字が随分ちがってきます。
山崎浄化センターの電気が、原発・水力・太陽光・地熱による発電で賄われていたら、CO2は殆ど発生しないので、この計算はすべて根底から覆される事になります。
・ここで注目していただきたいのは、廃プラスチックの燃焼によるCO2の排出量です。
廃プラスチックは化石燃料由来の物なのでカーボンニュートラルが適用されないので、それ自体が燃焼する事による二酸化炭素排出量を算出します。↓↓↓
今泉CO2排出量(kg-co2/年) 施設 938,748 収集車66,180 廃プラ1,789,480
名越CO2排出量(kg-co2/年) 施設3,111,436 収集車99,834 廃プラ4,767,455
数値を見ても分かる通り、他と比べてきわめて大きい数値です。
CO2を削減する為には生ごみ処理施設を建設する事ではなく、廃プラスチック処理を改善する事のほうが効果的です。
マテリアルリサイクル&ケミカルリサイクルを進めつつ、サーマルリサイクル(熱回収)に向いた次世代型の焼却炉導入が効果的だと思います。
鎌倉ごみ問題-1-山崎バイオマスエネルギー回収施設懸念事項
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鎌倉ごみ問題-4-山崎バイオマスエネルギー回収施設賛成派決議文
鎌倉ごみ問題-5-CO2の排出量
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