◆鎌倉市議会平成31年2月定例会 平成31年度予算に長嶋は反対!
⭕️只今議題となりました議案第98号「平成31年度鎌倉市一般会計予算」に反対、第105号は賛成、第109号、第110号に反対の立場で討論に参加いたします。
先日、「NOと言えない議会 その代償は」
財政難に陥り市民サービスを切り詰める富山県高岡市。市議会のチェック機能は働かなかったのか。とのタイトルで、NHK選挙web、統一地方選挙各地からの報告にレポートが掲載されていた。
富山県第2の都市、高岡市ではおととし11月、40億円もの財源不足が突如明らかになり、市民サービスを切り詰める動きが相次ぐ事態になっている。
市のコミュニティーバスは廃止され利用者は片道千円以上かかるタクシーを使わなければならなくなり外出の機会が減ったそうです。市民会館は改修費が捻出できず、無期限で休館。市の49の施設の利用料金を、最大1.5倍に値上げすることも検討中だそうです。
財政難に陥った背景には、北陸新幹線開業が挙げられている。
市は、新幹線の金沢延伸までの10年間を「黄金の10年」と銘打ち、関連の大型公共事業などを次々に押し進めた。新幹線の新駅に加えて、在来線の高岡駅もおよそ150億円を投じて都心にも負けない施設が作られた。市の借金は、新幹線が延伸した平成26年度には1100億円を超えた。その一方で基金は、財源の穴埋めのため、昨年度には底を尽きかけたそうだ。
高岡市は人口17万2千人、平成31年度一般会計当初予算656億円、この数字だけ見ても人ごととは思えないお話である。
では、現状の鎌倉市政に目を転じたらどうであろうか?
未来の予測や財政状況を無視して、高岡市の「黄金の10年」と同様に、新しい元号の年に、鎌倉市の「黄金の10年」のスタートラインに立とうとしている状況であると考える。
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ここで、松尾市政における課題、問題をあげておく。
1,新焼却施設建設問題、2,ごみ処理広域化協議、3,生ごみ資源化施設建設問題、4,ごみ戸別収集未実施の問題、5,旧図書館白あり事件、6,御成旧講堂の活用、7,本庁舎移転問題、8,村岡新駅設置問題、9深沢地域整備事業問題、10,長谷子ども会館の活用、11,旧野村総研跡地の活用、12,扇湖山荘の活用、13,旧前田邸の活用、14,ティアラ鎌倉今後の方針、15,岡本2丁目土地問題、16,津波対策、17,防災減災対策、18.渋滞対策、19,交通混雑対策、20,ロードプライシング導入、21,鎌倉駅東口改修工事、22,職員のコンプライアンス、23,現金盗難事件、24,職員のセクハラ問題、25,生活保護費窃盗事件、26,2020オリパラ対応、27,インバウンド対応、28,フィルムコミッションの実施、29,観光DMO、30,テレワークの実施、31,RPAの導入、32,SDGs未来都市としての責任、33,由比ヶ浜ショッピングセンター建設問題、34,北鎌倉隧道通行止め問題、35,公共施設再編問題、36,インフラ老朽化問題、37,学校施設老朽化問題、38,生涯学習センター耐震工事、39,少子高齢化問題、40,財源の確保
などなど、上げればきりが無いほどあるが、あらゆる事業が頓挫している事により多くの無駄な予算の支出をしているばかりではなく、4年連続で給与をあげており、その影響で予算が確保できないので市民サービスが低下している事は明確な事実である。
中でも、ごみ問題に対する対応は余りに酷すぎます。
公務員が議会に対して嘘の答弁を繰り返し続けている事は許される事ではなく、松尾市長、と関係職員の罪は大変重いと考える。
名越焼却炉停止の2025年、この場にいる方は一体何人いるのでしょうか?
自分がいないから良いと言う無責任極まりない態度だと考えます。
このままでは、街中にごみが溢れる状況も冗談ではなくなってくるのです。
現状は頭をかかえる事態であるが、松尾市長の失政を隠す為にその場しのぎの言い逃ればかりして引き伸ばしているのが現状である。石破元幹事長のお言葉をお借りすると、松尾市長と公務員は助かるかも知れないが、市民は決して助からない、と言える。
市民の皆様の松尾市政に対する不信感は相当強いという事を認識すべきです。
この状況下で「NOと言えない議会 」その代償は誰が払うのでしょうか?
「財政が厳しい」「予算がない」との言葉を理事者側から何度聞いている事でしょうか、今、議会がNOと言えなければ、やってくる鎌倉市民の暮らしはどうなるか?
その答えはもう見えているのではないでしょうか?
もう松尾市長の虚言に付き合うのはやめて議会として「NO」とはっきり言うべきである
来年度の予算を見ても、頓挫している様々な課題・問題に対する希望が見えない状況であり、賛成などできるはずがありません。ここで予算を否決して市政運営を大きく見直す機会にするべきです。
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鎌倉市役所は頭の中がバブルのまま」これはわたくしが何度も申し上げている言葉でありますが、平成31年度予算はその言葉そのものの予算編成だと考えます。
バブル景気とは昭和の終わりから平成の始めにかけておこりましたが、それから30年、今、平成が終わり、人口減少、超高齢化社会が訪れ、地球環境の悪化が懸念される中、目の前に「大きな変革の時代」が訪れているのに、考え方がついて行っていない状況です。これはバブル期に育った職員が幹部になり、その頃の影をいまだに追い続けて妄想を描いており、時代がその頃から止まったままだからではないでしょうか?
村岡新駅や深沢地域整備事業、現在の2倍以上の面積の本庁舎を建設しょうとしている事、旧図書館を4億円以上かけて修繕しようとしている事、千円の課金によるロードプライシング実施、などはその典型の提案と考えます。
しかし、もっと重要な事は平成が終わり目の前に「大きな変革の時代」が訪れているのに、次世代の為に、未来を見据えた責任ある行政運営を構築しようとしているのでは無く、自分達が楽をして高い給与を確保しようとしているだけにしか市民からは見えないと言う事です。
では「大きな変革の時代」に向かい、今何をしなければいけないのか?
SDGs未来都市として鎌倉市が今何をするべきか?
まずは目の前にぶら下がっている「大きな変革の時代」をきちんと理解して、分析して、行政運営はどうあるべきか考え、公務員の仕事をどう変えて行く必要があるのか、対応して行く事では無いでしょうか?
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科学技術の発展により、人工知能(AI)の研究開発が加速しており、我々の暮らしは大きな変化が訪れようとしています。
この変化は今まで我々が経験した事のない変化であり、第1次から第3次までの産業革命を遥かに超えるものになるのではないか?と考えられています。
この第4次革命はデータ収集・解析技術などで、機械が自ら考えて動くよになるのです。
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ここで、皆様は2045年問題・シンギュラリティと呼ばれる現象が起きると言われている事をご存知でしょうか?
このシンギュラリティは技術的特異点を意味する言葉で、コンピュータ技術や生命科学などの進歩、発展 によって、2045 年頃に技術的な特異点が生じ、これまでの世界とはまったく異なる、悲連続な世界がやってくる、と予測されているものです。
これは、人工知能の権威であるレイ・カーツワイル博士が提唱された「未来予測の概念」でもあります。
博士は2045年には「人間の脳の限界を、人間と機械が統合された文明によって超越する瞬間がやってくる事を言われており、この時期に人間の能力と社会が根底からくつがえり変容すると予想しています。
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ところで皆様は、特化型AIと汎用型AIとの違いについてご存知でしょうか?
現在一般的にAI(Narrow AI)と呼ばれて話題になっているのは「特化型人工知能」で、特定の作業・領域でパフォーマンスを発揮するものを指します。
一方の「汎用型人工知能は、AGI(Artificial General Intelligence)と呼ばれているもので、作業・領域を限定せずに人間レベルの知能と同等、あるいはそれ以上のパフォーマンスを発揮するものを指します。他のAIプロジェクトと区別するためにAGIと呼ばれています。
イメージとしては、SF映画に出てくるような自分で考えて行動する生命に近いロボットプログラムが汎用型人工知能です。
AGIは研究段階であり、実現にはしばらく時間がかかると言われておりますが、
レイ・カーツワイル博士はこの「汎用型人工知能(AGI)が人類史上初めて出現するような出来事は2029年頃に起きると予測しています。
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ここでもう1つ、画像認識から実用化が始まった深層学習(ディープラーニング)の研究が重要な意味を持ちます。
深層学習(ディープラーニング)とは、人や動物の脳の神経回路をモデルにした、多層のニューラルネットワーク(ディープニューラルネットワーク)による機械学習の手法です。
これは人工知能の急速な発展を支える技術であり、その進歩により様々な分野への実用化が進んでいます。
近年開発の進んでいる自動運転車においてもカギとなっているのがこのディープラーニングです。
昨年江の島で開催されたセーリングのワールドカップで、神奈川県が「自動運転バス」の実証実験を公道で実施したのが「レベル3」の自動運転で、オリンピック本番では運転手が乗車しなくてもいい「レベル4」の実施を目指しています。
この他、デープラーニングは音声認識にも重要な役割を果たしています。
川崎市議会は2月12日開会の定例会から、議員らの話を即座に文字として表示するモニターを本会議場の傍聴席に設置して運用しております。
また、川崎市は昨年3月に、三菱総合研究所の協力の元、インターネットの特設ページで対話形式で行える「AIを活用した問合せ支援サービス」の実証実験を行いました。
そして我が街鎌倉のベンチャー企業が、自律走行し複数種類の野菜をセンサーにより選択、ロボットアームで収穫できる、世界初の汎用型自動野菜収穫ロボットの開発をしております。
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これらのように、現実の生活や仕事の中に当たり前に活用される時期はもうまじかに迫っています。
日本では2015年末、野村総合研究所が「10~20年後、国内の労働人口の約49%がAIやロボットで代替可能になる」と、工学博士、マイケル・オズボーン氏らとの共同研究で発表しております。
総務省も15年に「インテリジェント化が加速するICT(情報通信技術)の未来像に関する研究会」を発足させ、部分的なシンギュラリティの到来を前提とした未来像や取り組むべき課題、経済・雇用への影響などについて議論を始めています。
定型的な仕事、体系的に物事を処理する仕事が人工知能へと転換されていく可能性が高く、一般事務・販売員・配送・清掃・警備・運転・製造業務などの業種は代替可能性がきわめて高いと言われています。
しかし、創造性や協調性が求められる対人的な仕事に関しては、人が担う必要があり、人工知能によって代替が難しい仕事も多数存在すると考えられています。
一方で、シンギュラリティによって新たに生み出される仕事もあります。それが人工知能を搭載したロボットを教育・運用する仕事です。人工知能に柔軟な考えを植え付け、人間に危害を加えることを防ぐ為にも、人間が人工知能をチューニングする作業が必要になると考えられています。
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そして、今後の未来に向けて予算提案の中で特に注目しておかなければならないのはベーシック・インカムの導入です。
シンギュラリティによって、ベーシック・インカムが導入されるとする視点は2つあります。
1つ目は、人工知能の発展による労働からの解放がもたらす恩恵としての楽観的な導入です。
2つ目は、人工知能により人々の仕事が奪われ、生活保護を求める人が増加し、ベーシック・インカムの導入が避けられないという悲観的な導入です。
人工知能による労働力の削減は人類に幸せをもたらすか、それとも不幸をもたらすか。
その見通しが立てにくい事が、シンギュラリティの不安な部分でありますが、しっかりと考えておかなければならないと思います。。
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「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、2020年に36万9000人、2030年には78万9000人のIT人材が不足すると予測されている。
その中で「AI(人工知能)」「ビックデータ」「IoT(モノのインターネット)」「ロボット」の先端IT技術が将来最も人材不足に陥ると見込んでいる。
行政の仕事は、人口知能による仕事の変革が激しい分野であると考えられ、相当の覚悟を持って頭の切り替えをして公共サービスを考えていき、人員配置をして予算措置をしていかないと取り返しのつかない事になる。
指定管理やコンサルタントに丸投げして、自分達で動かない・考えない、といった今の鎌倉市役所のような行政機関の職員はもういらないのです。鎌倉市役所自体が指定管理で民間委託になり、汎用人工知能(AGI)のロボットの指示で仕事をする市役所になる事は、しっかり考えていかないと、冗談ではなくなってくるのです。
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冒頭に現状だけ見た時の予算案反対の理由を述べました。
勿論これらの視点は重要であります。しかし、もっと重要なのは、「平成が終わり大きな変革の時代が訪れているのに、SDGs未来都市として、未来を見据えた行政運営を考えた予算措置が考えられていない」と言う事です。
今後は未来を見据えた長期ビジョンを持って鎌倉のまちづくりを考えて頂きたいと思います。
今のままのコントロール不能、危機感ゼロの鎌倉市役所の状態では、2045年、鎌倉市役所自体が存在できなくなるかもしれません。
松尾市長以下幹部職員の皆様はその時には鎌倉市役所にはいないから関係ない、そう言う空気しか残念ながら感じられません。
後輩達の為に、そして何よりも鎌倉の街の未来の為に、頭を切り替えて、真剣に考えて頂く事を強く要望して討論を終わります。
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