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2019年3月29日 (金)

◆議会議案第4号「消費税増税について慎重な検討を求める意見書」の提出について

⭕️只今議題となりました議会議案第4号「消費税増税について慎重な検討を求める意見書」の提出について、賛成の立場で討論に参加いたします。👈この議案は否決となりました。

動画 ⇒ こちら

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私は消費税導入前から長年販売業の現場で働いておりましたが、1989年4月1日に3%導入当時はバブル期の真っ只中であった事もあり消費の落ち込みはあまり影響がなかったが、3%から5%に上がった後から消費の落ち込みが始まり、各企業の業績の低迷を招いた事は、現場で強く実感してきたところであります。この販売業の長年の低迷状態は数値にもはっきり現れており、

日本チエーンストアー協会の統計によると、消費税が3%から5%に引き上げられた前年度の1996年度が販売総額のピークの年であり、
1996年度→16兆9786億円、企業数131、正社員205,324 、パート233,928 、店舗数7822
2016年度→12兆9717億円、企業数56、 正社員106,491 、 パート346,766 、店舗数9376
売上総額が25%4兆円下落、企業数6割減、正社員数半減、 パート数5割増、 店舗数2割増

この数字の現している事実を我々は深刻に受け止める必要があると考えます。
今、流通業は多くの企業が経営が困難な状況に追い込まれており、このまま消費税をあげたら経営継続が困難な状況に追い込まれる事は容易に想像できるところであります。

そして、現状の我が国の消費税には様々な問題点がある事も多くの専門家から指摘が出ているところであるので、以下何点かあげておく。

①所得が少ないほど不利な、逆累進的税制である点。
②生産と消費が国境をまたがる場合には、どの時点で課税するかによって制度の趣旨が変化するが、生産時点で一旦課税したものを消費地課税主義に基づいて調整し、輸出企業に対して還付が行われる。消費地課税主義である点。
③課税売上高の一定割合を仕入れとみなして、事業者の事務処理上のはん雑さを除去することにより、納税事務負担を軽減するために設けられた制度である、簡易課税制度である点。
④実際の取引と納税処理との間に差異があると、制度の趣旨に反する形で事業者が利益を得る、益税問題がある点。
この益税問題には、免税点制度、簡易課税制度、95%ルールなど様々な問題点がある。
⑤無形資産の輸入・海外からの役務提供に対しては消費税が課されれない制度である点。
⑥そして皆様が一番ご存知の、二重課税の問題があります。
この二重課税も、課税標準に含まれる従量税、課税標準に含まれない従量税、課税標準に含まれない従価税などがあります。

その他に、帳簿上の記録等に基づいて控除する「帳簿方式」、課税事業者が発行するインボイスに記載された税額のみを控除することができる「インボイス方式」の方法論の是非が分かれる点。などがある。

そして何よりも軽減税率の導入は様々な異論が出ています、

経済学者の
土居丈朗(どいたけろう)氏は「軽減税率は、格差是正につながらず、税収を減少させる。軽減税率導入で税収が失われる分、標準税率のさらなる引き上げが必要になる。また、軽減税率のほうが、他国の例で示されているように、事務コストが大きく、不正・脱税の温床となる傾向にある」と指摘している。
高橋洋一氏は「軽減税率を導入する場合、その適用を巡って『レントシーキング』が横行し、利権が発生する「軽減税率は、租税特別措置法と同じで利権の固まりになる。こうした利権の裏には、天下りがある「所得の低い人の税負担を減らすためには、一定額の税額を控除する『給付付き税額控除』の方がよいと指摘している。
国際通貨基金(IMF)は「効率性を阻害し、事務コスト・行政管理コストを増大させ、恒久的な歳入損失をもたらす」と指摘し、低所得者対策は「低所得者層に対象を絞った補助金で対処されるべき」としている。

これらの事を鑑みれば、充分な検討がまだまだ必要であると思われるので、消費税増税について慎重な検討を求める意見書の提出を鎌倉市議会として行う必要があると考えるので賛成するものである。

 

以上で討論を終わります。

 


◆政治的な経過
消費税法は1988年12月に竹下登内閣で成立し、翌1989年4月1日に3%の税率で施行された。
その後、1994年11月村山富市内閣で成立した税制改革関連法を元に、1997年4月に橋本龍太郎内閣で消費税率を3%から5%に引き上げた。
その後、野田佳彦内閣時代の2012年3月に行われた三党合意(民主党・自民党・公明党)により、2014年4月に8%、2015年10月に10%に引き上げる法律が成立。
2014年4月、安倍晋三内閣で8%に増税している。

安倍首相は、8%から10%への増税を2回延期している。
2015年10月に10%へと引き上げられる予定を1年半先送りにし、2017年4月とすることにしたが、2016年6月、景気の低迷などを理由に、増税を2017年4月から2019年10月に再延期をすることを決定して今に至っている。。

2012年の三党合意に基づいて成立した法律には、「景気弾力条項」という規定があった。
これは、景気が悪化しているときには政府の判断で増税を延期できる、という仕組みである。2014年4月、安倍首相は消費税を5%から8%に増税したが、増税直前に駆け込み需要が発生し、反動で消費が低迷。この消費低迷を理由に、景気弾力条項に基づきその後の10%の増税延期が行われた。

これらの歴史の経過から見ると、消費税増税に踏み込んだ政権はその後どうなったか?と言う事を考えると、国民の支持は決して得られなかったのではないかと考えます。

 


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