◆鎌倉市議会2月定例会 令和2年度一般会計予算長嶋反対討論
「議案第98号令和2年度鎌倉市一般会計予算」は反対、その他諸議案は賛成の立場で討論に参加致します。
まず最初に、新型コロナウイルスの緊急対応について述べさせてただきます。
報道によると、新型コロナウイルスの感染者が24日、世界全体で40万人を超えたそうですが、18日に20万人を超えてから、僅か約1週間で倍増した事になります。
そして昨夜、オリンピックの延期が決まりました。また、改正特別措置法(新型コロナ特措法)に基づく政府対策本部を本日25日にも設置するとの事であります。
先日の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の見解はかなり厳しいものでありました。
世界的パンデミックの危機的状況の中「日本は奇跡的にとどまっている」だけであり、いつ「爆発的な患者急増(オーバーシュート)」が起こってもおかしくはない、岐路に立っている状態であると考える。
更に、小池都知事から都市機能封鎖(ロックダウン)もあり得る、との発言がありましたが、
まさにわが国も含めて世界的な「緊急事態」の状態であると考える。
提案されている「議案第98号令和2年度鎌倉市一般会計予算」はこれらの事態がまだわからない状況の中で出されたものであるので、致し方ない部分もありますが、村岡新駅概略設計負担金の98,437千円を筆頭に、かかる事態に備える為に、令和2年度の予算措置を止めなければならない事業が余りにも多すぎるので、一旦予算を否決して、必要最低限の暫定予算でスタートして、新型コロナウイルス対策の国の方針と予算措置を踏まえた上で、令和2年度の予算は大きく軌道修正して再スタートするべきと考える。
また、歳入についても「世界経済がストップ」している状態になりつつあり、事態の収束も予測できない中、今後出て来る影響は予想出来ない事態であるので、歳出は極力抑える必要に迫られていると考える。
↑村岡新駅概略設計負担金98,437千円等深沢地域星美事業
正に自分達の給与・報酬を上げている場合ではないのである。
令和2年度の必要の無い事業の予算措置を止めて、緊急措置として、隔離施設の設置、光熱費や食事への助成、場合によっては様々な減免措置を行う事が必要かと考える。
それではその他の内容について述べさせて頂きます。
まず、2月7日に「気候非常事態宣言」を宣言して頂いた事は評価するところではありますが、村岡新駅、本庁舎の深沢への移転、深沢地域整備事業の現在の内容、2市1町ごみ処理広域化実施計画についての内容、ロードプライシングなど、賛成できない中身ばかりが進行していると共に、北鎌倉隧道、おなり子どもの家を筆頭に、長期にわたり頓挫して進まない事業が余りにも多く、無駄な経費が費やされている事態は、松尾市長の失政と言う以外の言葉は見つけける事は出来ない状況である。
村岡新駅、本庁舎の深沢への移転、深沢地域整備事業の現在の内容は、昨今の社会情勢、財政状況、本市職員の能力を鑑みるとできない事業であると考える。
また、ごみ処理については全く話にならない内容であるにもかかわらず、見直すと言うご答弁が全く無かった事は、大変憂慮する事態であると考える。
その他、特に災害対策が最も重要と考えるが、「犠牲者ゼロ」を掲げる高知県黒潮町の町長さんのように、松尾市長は市民の方に向いておらず、真剣に取り組む姿勢が見て取れない大変嘆かわしい状況である。
更に、職員、市長、議員の給与報酬を上げる事は有り得ない異常な事態であり、一体誰の方を向いて市政運営をしているのか?疑問しか持てない状況であり、令和2年度の一般会計予算には到底賛成は出来るものではない。
👉「自分はやれるだけの事はやった、と言える自分であるために」
この言葉は、一般質問でご紹介した「谷口たかひさ」さんが、グレタ・トゥーンベリさんが先日行ったバレンタインマーチに参加した時に出会った、8歳の男の子がプラカードに掲げていたメッセージだそうです。
谷口さんがプラカードに込めた想いを聞いたところ、
「僕は僕より年下の子とか、これから産まれてくる子に、僕はやれるだけの事はやったって言いたいんだ。気候危機はもう手遅れかも知れないけど、止めれるか止めれないかすら、問題じゃないんだ。」と言っていたそうです。
「自分はやれるだけの事はやった、と言える自分であるために」
8歳の男の子の言葉です、皆さんはこの言葉を聞いてどう思われますか?
松尾市長や議員の皆様は政治家として恥ずかしく無いですか?
私は恥ずかしく情け無い、そして申し訳ない気持ちで一杯です。
世界的有事の中、自分達の報酬を上げるなど狂気の沙汰です。
昨年10月4日に鎌倉市議会で行った「気候非常事態宣言に関する決議」、2月7日に鎌倉市が行った「気候非常事態宣言」の宣言後に皆さんは「何かやれる事」を始められたでしょうか?
全員が原因、全員が行動する必要がある。地球の危機、人類の危機を救うことができるのは、私たち一人ひとりの行動です。1人の100歩より100人の1歩。
地球が火事なのです、地球が危機なのです、もう時間が無いのです、目を覚まして行動しましょう。
気候非常事態は宣言だけしても何も進みません、鎌倉市でまず重要な事は、市長及び職員と議員の皆様の気候非常事態に対する「マインドセット」だと考えます。
今定例会の答弁をお聞きしていても、気候非常事態に対するマインドセットは全くなっておりません。
一例を申し上げると、深沢地域整備事業の温室効果ガスの排出量すら算出しようとしない態度でどうやって、宣言にある、温室効果ガス排出を実質ゼロにすることが出来るのでしょうか?
また、職員の通勤はどうでしょうか?車やバイクでの通勤から公共交通機関への通勤への転換をさせる為の予算になっているでしょうか?
宣言はしましたが、残念ながら松尾市長のいつものパフォーマンスにしか見えません。
そうでないと言われるのでしたら、鎌倉市は流石ですねと世界から言われるような行動を市役所全体で見せていただきたいと思うところであります。
👉昨年の予算議会の討論で「NOと言えない議会 その代償は」とのタイトルで
財政難に陥り市民サービスを切り詰める富山県高岡市の事例をご紹介致しました。
40億円もの財源不足が突如明らかになり、市民サービスを切り詰める動きが相次ぐ事態になっていると言う話しである。
財政難に陥った背景には、北陸新幹線の金沢延伸までの10年間を「黄金の10年」と銘打ち、新幹線の新駅に加えて、高岡駅もおよそ150億円を投じて都心にも負けない施設が作られたが、市の借金は、新幹線が延伸した平成26年度には1100億円を超えたとのものですが、高岡市は人口、一般会計当初予算が我が市と同程度という自治体であり、現状の鎌倉市政にあてはめたらどうであるか? 未来の予測や財政状況を無視して、高岡市の「黄金の10年」と同様に、新しい元号のもと鎌倉市の「黄金の10年」のスタートラインに立とうとしている状況であると昨年申し上げた。
その後昨年高岡市を訪問して状況を見て参りましたが、新幹線新高岡駅近隣には敷地面積…約26万5,000m²、延床面積…約16万8,000m²、5,200台の駐車場がある超大型のモールがオープンしたが、その結果高岡駅前の地域唯一の地元老舗百貨店が昨年8月76年の歴史に幕をおろしている。
高岡市の高橋市長は「大きな驚きをもって受け止めている。誠に残念」というコメントを発表したそうであるが、市は新幹線の新高岡駅周辺と、旧来の市街地である高岡駅周辺の両方ににぎわいをつくる戦略を進めているそうであるが、市の財政は厳しく両立は難しいようである。
鎌倉市役所は頭の中がバブルのまま」これはわたくしが何度も申し上げている言葉でありますが、人口減少、超高齢化社会に突入している状況で、本市第三の拠点形成をめざして、村岡新駅や深沢地域整備事業、現在の2倍以上の面積の本庁舎を建設しょうとしている事は、財政が厳しいと言う言葉しか理事者から出てこない状況下において、本当に正しい事であるか?冷静に考え直して頂きたい。
人口規模や一般会計予算が同規模の高岡市さんの事例を、我々は良く学ぶべきである。
👉ここで、松尾市政における課題、問題を今年も40項目あげておく。
1,ごみ処理広域化協議、2,燃やすごみ自区外処理、3,生ごみ資源化施設建設、4,ごみ戸別収集未実施、5,プラごみゼロ宣言、6,気候非常事態宣言、7,本庁舎移転問題、8,村岡新駅設置問題、9深沢地域整備事業問題、10,長谷子ども会館の活用、11,旧野村総研跡地の活用、12,扇湖山荘の活用、13,旧前田邸の活用、14,ティアラ鎌倉今後の方針、15,岡本2丁目土地問題、16,北鎌倉隧道通行止め問題、17,国道134号線歩道崩落、18.渋滞対策、19,交通混雑対策、20,ロードプライシング導入、21,鎌倉駅東口改修工事、22,職員のコンプライアンス、23,現金盗難事件、24,職員のセクハラ問題、25,生活保護費窃盗事件、26,2020オリパラ対応、27,インバウンド対応、28,フィルムコミッションの実施、29,SDGs未来都市としての責任、30,公共施設再編問題、31,インフラ老朽化問題、32,学校施設老朽化問題、33,玉縄青少年会館問題、34,おなり子どもの家、35,岩瀬子ども会館、36,防災減災対策、37,水害・津波対策、38,ハイキングコース閉鎖問題、39,各所崖崩れ・倒木の対応、40,新型コロナウイルス対応策
などなど、上げればきりが無いほどあるが、あらゆる事業が頓挫している事により多くの無駄な予算の支出をしているばかりではなく、6年連続で給与をあげており、それらの影響で予算が確保できないので、市民サービスが低下している事は明確な事実である。
最初から出来ない事が分かっているのに「やるやる」と言い続けて、様々な事業経費をばら撒く、人件費を出し続ける、公務員の仕事が無くならいように仕向ける。このサイクルによって市役所を延命する、そういう行政ビジネスモデルを構築しているのが鎌倉市役所の現状である。
この行政ビジネスモデルは顧客である市民にとっては「恩恵を受ける」部分は非常に薄く、不満はたまっていますが、二元代表制のチエック機関としての議会の機能は働いていないので、永久にこの「やるやる詐欺の行政ビジネスモデル」は続くと思われます。
現状は頭をかかえる事態であるが、松尾市長の失政を隠す為にその場しのぎの言い逃ればかり、メディア受けするパフォーマンスばかりして引き伸ばしているのが現状である。
市民の皆様の鎌倉市役所対する不信感は相当強いという事を認識すべきである。
この状況下で「NOと言えない議会 」その代償は誰が払うのでしょうか?
「財政が厳しい」「予算がない」との言葉を理事者側から何度聞いている事でしょうか、今、議会がNOと言えなければ、やってくる鎌倉市民の暮らしはどうなるか?
その答えはもう見えているのではないでしょうか?
もう松尾市長の虚言、パフォーマンスに付き合うのはやめて議会として「NO」とはっきり言うべきである。
兵庫県芦屋市では、
JR芦屋駅南地区で市が進めている再開発事業について、芦屋市議会は23日に開いた本会議で、2020年度特別会計当初予算案の関連予算約11億6900万円を減額し、約230万円とする修正案を可決した。これは市に事業の抜本的な見直しを迫る内容で、
自民党の川上朝栄議員は、市の基金残高が27年度に底を突くと試算した市の長期財政収支見込みに触れ「リスクを伴う巨額の開発計画と芦屋市を心中させるわけにはいかない」。再開発を認めないということではなく、いったん立ち止まるべきであるということです。財政問題を棚上げにしたうえで、再開発をこのまま進めるべきというのなら、芦屋市の未来に対して無責任というもの。この点をしっかりと理解していただきたいと思います。と指摘されています。
来年度の予算を見ても、頓挫している様々な課題・問題に対する希望が見えない状況の中、予定されている芦屋市と同様の「巨額の開発計画」は、立ち止まるべきである。
また、最初に述べた新型コロナウイルス緊急対応につても鑑みて、ここで予算を否決して市政運営を大きく見直す機会にするべきである。
新型コロナウイルスの対応をどの様に行うのか?
SDGs未来都市として鎌倉市が今何をするべきか?
気候非常事態宣言をした街として鎌倉市が今何をするべきか?
きちんと市民意見を聞いて「鎌倉市職員行動憲章」に従い、安心、安全に暮らせるように、その職務と責任を果たしていただく事を強く要望しておきます。
最後に吉田松陰の言葉を送ります
過ちがないことではなく、
過ちを改めることを重んじよ。
大事なことを任された者は、
才能を頼みとするようでは駄目である。
知識を頼みとするようでも駄目である。
必ず志を立てて、
やる気を出し努力することによって
上手くいくのである。
以上で討論を終わります。
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・鎌倉市議会令和2年2月議会 長嶋一般質問「ロードプライシング」
・鎌倉市議会令和2年2月議会 長嶋一般質問「深沢整備事業と本庁舎移転」
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