◆SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)(第6報)/国立感染症研究所
SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)(第6報)/国立感染症研究所
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〇オミクロン株について
オミクロン株は基準株と比較し、スパイクタンパク質に30か所程度のアミノ酸置換を有し、3か所の小欠損と1か所の挿入部位を持つ特徴がある。このうち15か所程度の変異は受容体結合部位に存在する。
〇2022年1月7日時点EU/EEA域内30か国
EU/EEA域内30か国からオミクロン株感染例が報告された。オミクロン株感染例28,522例とS遺伝子が検出されないSARS-CoV-2感染例154例の計28,676例の解析では、年齢中央値31歳で男性が50%。
・情報を取得できた16,341例
89%(14,508/16,341)が有症状。
・ワクチン接種歴について情報が得られた956例
79% (759例)が2回接種、9% (89例)が1回接種、7% (67例)が未接種、4% (34例)が3回接種であった。
・情報が得られた感染例
1%(94/14,972)が入院、0.1%(16/14,930)がICU入室/人工呼吸器管理を要し、0.01%(2/20,256)が死亡。
〇2021年12月18日時点イングランド
53,842例(男性25,577例、女性28,265例)のオミクロン株感染例の解析では、20歳代が33%と最も多く、次いで30歳代が23%、40歳代が15%、10歳代が12%であった。
〇アメリカ合衆国
CDCの1月1日時点の推計では、同国での週別のオミクロン株検出割合の推定値が77%(12月19日~25日)から96%(2021年12月26日~2022年1月1日)に増加した。
〇日本での発生状況
海外からの入国者のSARS-CoV-2陽性例の8割以上がオミクロン株感染例。
2022年1月11日までに日本において、計3,041例のオミクロン株感染例が報告された(2022年1月11日21時時点)
〇ワクチン・抗体医薬品の効果への影響や自然感染による免疫からの逃避
ワクチンで誘導される抗体の in vitro(試験管内)での評価や疫学的評価から、ワクチン2回接種による発症予防効果がデルタ株と比較してオミクロン株への感染では著しく低下していることが示されている。3回目接種によりオミクロン株感染による発症予防効果が一時的に高まるが、この効果は数ヶ月で低下しているという報告もあり、長期的にどのように推移するかは不明である。
非オミクロン株に感染歴のある者の再感染は、非オミクロン株と比較してオミクロン株への免疫が成立せず感染がより起こりやすい(再感染しやすい)との報告がある。
〇重症度
国内で経過観察されているオミクロン株感染例(確定例ならびにL452R陰性例を含む)の初期の事例191例については、95%(181/191)が無症状ないし軽症で経過していた。
重症化や死亡の転帰を確認するには時間がかかることを踏まえると更なる知見の集積が必要である。
マウスおよびハムスターを用いた動物モデルでの評価について、オミクロン株では従来株に比べて肺組織への感染性と病原性が低下していることを示唆している
〇国内症例について
1月12日時点で情報が得られた191例のオミクロン株感染例の解析では、男性が62%(119/191)、観察期間中に継続して無症状が68例、軽症が113例、中等症Ⅰが6例、中等症Ⅱが3例、重症が1例であった。ワクチン接種歴に関しては、接種なしが35例、1回接種が4例、2回接種が145例、3回接種が7例であった。
〇ゴールデンハムスターを用いた病原性解析
オミクロン株感染4日目の肺におけるウイルスRNA量はB.1系統(D614G)と比較して約1/1,000と低値であり、また,オミクロン株感染後の肺からは感染性ウイルスは検出されなかった。組織病理学的に,オミクロン株感染後の肺において、気管支周囲の炎症や気管支肺炎の所見は認められなかった。
パンデミック初期に米国で初めて分離された従来株(WA1/2020株),アルファ株,ベータ株、デルタ株感染後に体重減少が見られた一方で,オミクロン株感染後に有意な体重減少は認められなかった.オミクロン株感染動物において上・下気道でのウイルス複製と肺炎所見は観察されたが、WA1/2020株と比較して鼻甲介でのコピー数が高く,肺でのコピー数が低い傾向を示した。よって,以前のSARS-CoV-2と比較すると上気道感染が優位であり,下気道感染による重症化の可能性は低いと推察された。
〇細胞内へのウイルスの侵入効率
SARS-CoV-2スパイクタンパク質を発現するシュードウイルスを用いてin vitroでの解析を実施した。その結果、オミクロン株型のシュードウイルスはB.1.1系統型やデルタ株型と比較して、初代3次元下気道オルガノイドおよびCalu-3細胞 (肺腺癌細胞株) への侵入効率が低下していることが確認された。
このオミクロン株シュードウイルスの細胞侵入効率は、TMPRSS2(SARS-CoV-2の細胞侵入に関与するとされる酵素)発現性と逆相関していた。TMPRSS2を発現している肺細胞では、オミクロン株はデルタ株と比較して明らかに低い複製効率を示した。スパイク糖タンパク質を介した細胞間融合はS1/S2切断が必要であるが,TMPRSS2の存在にも依存する。オミクロンのスパイクの融合性はTMPRSS2発現下でも損なわれ、Deltaスパイクと比較してシンシチウム形成能は顕著に減少している。
これらのin vitroデータは、TMPRSS2を発現する下気道での感染性を減少させるが、上気道に存在するTMPRSS2非発現細胞の感染には影響しないことを示唆している(Meng, et al.)。
〇ヒト肺組織を用いたex vivoでの解析
オミクロン株のウイルス複製効率は気管支において従来株やデルタ株の約70倍を示した一方で、肺においては従来株の約1/10であった。これらのことはヒトにおける重症度が低いことが示唆している可能性がある 。
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