◆議案第87号令和4年度鎌倉市一般会計予算について反対討論
議案第87号令和4年度鎌倉市一般会計予算について反対の立場で討論する。
☝️長嶋議員反対討論動画
私は特別委員会に入っていないので、皆様とは少々違った視点で意見を申し上げる。
皆様ご承知の通り、令和4年度鎌倉市一般会計予算はこの度のロシア・ウクライナの紛争が勃発する以前に組まれたものであり、この紛争により発生する事態には対応していない。更にコロナ禍で様々な要因でお困りの方々への対応も出来ているとは言いがたい内容であるので、ここで予算を否決して、ひとまず暫定予算で進め、歳入歳出の見込みを見直し、市民生活、経済活動への影響を少しでも抑え、有事への対応をはかる為に、予算を組み直し再提出するべきである。
ロシア・ウクライナの紛争は世界規模で深刻な影響が及ぶ事は間違いない。その影響を予測することは困難であり、どこまで広がるかは、紛争の継続期間、ロシアに対する制裁の内容などの要因次第である。特に安全保障政策およびエネルギー政策に長期的な影響を及ぼすと共に、インフレは加速すると見られ、各国は拡張的な財政政策を取ることが必要となってくる。
世界経済にとって最も影響が大きいのはエネルギーの供給不足と価格上昇である。2020年のロシアの世界生産シェアは、天然ガスが17%、石油が12%、石炭が5%となっており、特に地理的に近いEU(欧州連合)は原油および天然ガスの輸入の多くをロシアに依存していることから、供給が停止された場合に甚大な影響が及び、景気後退に繋がることは避けられない事態である。
次に懸念されるのが、決済取引制約である。国際銀行間通信協会(SWIFT)を通じた国際金融決済システムから、ロシアの主要7銀行が3月12日から既に排除されている。
これらの銀行に対する、海外から送金・入金はできなくなっている。
次に懸念されるのが、政府や企業に対するサイ バー攻撃である。金融、情報通信、行政、医療、その他企業のインフラを狙った攻撃により、経済活動に影響が出る事態が想定される。既に、トヨタ自動車へ部品を納入する有力な一次サプライヤーへのサイバー攻撃が数度発生しており、生産活動が停止して影響が生じている。
次にエネルギー以外の資源の供給不足と価格上昇が懸念される。例えば、半導体製造に不可欠なネオンの7割をウクライナ産、自動車の主要部品に使うパラジウムの4割をロシア産と、多くを両国に依存している。また食料は、ウクライナ・ロシアは世界の小麦輸出の3割、トウモロコシ輸出の2割を担う。小麦供給減少懸念から、国際小麦市況はすでに急騰している。
コロナ禍の影響でインフレ圧力が高まっているところに、この紛争で一段とインフレは加速すると見られ、長期化すれば、 消費や金融・為替・投資、企業経営、市民生活、雇用などへの悪影響をもたらす事は確実であり、それらへの対応を考え準備しておく必要がある。
当市としても歳入減、歳出増は避けられない状況になると思われるので、村岡新駅、本庁舎移転などを柱とした深沢地域整備事業、スマートシテイ推進事業、 大河ドラマ館運営、ロードプライシング等は脳天気に やっている場合ではなく、スタグフレーションへの対応と有事への備えを行う必要があるので、歳入歳出の見込みを見直し、予算を組み直し再提出するべきであるの。
最後に申し上げておくが、この度のロシア・ウクライナの紛争は、2014年に起こったクーデター、いわゆるユーロ・マイダン革命により、当時のヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領が失脚し、その後の、クリミア危機・ウクライナ東部紛争へとつながっていった事が元にある事、更にさかのぼれば、2004年のオレンジ革命の時から始まっており、今に始まった事ではない。我々はこの歴史を学び理解してから行動するべきである事を申し添えておく。
以上で議案第87号令和4年度鎌倉市一般会計予算についての反対討論を終わります。
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