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2023年12月22日 (金)

◆鎌倉市議会令和5年12月定例会・長嶋討論

※陳情第29号 「塔之辻まちづくり計画」解釈変更の解明と施主との再協議の陳情

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過ぎたるは及ばざるが如し

 

 陳情第29号
「塔之辻まちづくり計画」解釈変更の解明と施主との再協議の陳情について反対の立場で討論する。

 

今回の陳情の内容と委員会での審査は、「まちづくり条例のあり方」「陳情審査のあり方」「陳情書の文面」の3点について、疑義を持たざるを得ない内容であるので意見を申し上げる。

 

① 「まちづくり条例のあり方」について申し上げる
陳情の願意は記載の通り「鎌倉市条例に明らかに違反している施主へ協議に復帰するよう市に積極的な働きかけを要請してほしい」と言うものであるが、この陳情に賛成すると言う事は「鎌倉市条例に明らかに違反している」と言う事を議会が認めた事になると言う事をまず理解しなければならない。

 

鎌倉市役所側は違反はしていないと言う見解を示していると共に、建築許可を出している状況であり、図面や現地の確認などしたが、違反しているとは考えにくい。

 

違反だとしたら鎌倉市の責任が問われる事であり、違反では無いとすると自治会が陳情提出した行為事態が問われる事になる。

 

この件はご自分達で作られた内容について、後付けの拡大解釈で明文化されていない内容について条例違反だとの主張を言われている訳で、それを条例違反だと認めてしまったら、明文化されていない内容の要求を何でも言える事になり、今後の鎌倉市内全体のまちづくり条例のあり方に大きな影響が及ぶものであると私は考える。

 

② 「陳情審査のあり方」について申し上げる
陳情審査の過程で陳情提出者側の主張だけを一方的に聞いて、訴えられた施主側の意見を聞いてはおらず、民主的に審査が行われたとは思えない。これは裁判で言えば訴えられた側の主張を聞かないで判決を出したようなもので、こういった紛争事についての陳情審査のあり方について、大きな疑問を持つものであった。少なくとも「継続審査」扱いにして、丁寧に意見を聞いて判断するべき内容であったと考える。

 

③「陳情の内容」について申し上げる
今回の陳情は自治会名で出されおり、当然の事として提出する事はもとより、記載内容についても自治会会員の皆様の了承のものに提出されているものでなければならないはずであるが、文面を拝見すると個人的な感情論が記載されているように見受けられる内容であり、違和感を持つものであると共に、自治会会員の皆様に文章を提示して了承を得て提出されたものであるのか?疑義を持つ所である。

 

また、私から施主側の意見をお聞きしたところ、陳情内容に多数の虚偽があると言われているので、5点ほどお聞きした内容を申し上げておく。

 

①現地では、施工会社がまず来て、そして施主と設計士の打ち合わせが長々と行われ
→ 現地で設計士と長々と打ち合わせしていない。
②市議会・市当局の動きを見極めた上で、慎重に再開のタイミングを計っているものと推察します。
→別に理由があるものでそういう理由では無いとの事である。
③その間、自治会からの協議の呼びかけは、4回無視されました。
→ 無視している訳ではなく毎回土曜日の開催なので、土曜日は仕事があるので出席でき無い。こちらの都合を無視した日程を提案されている。
④4階部分の菜園や壁設置の是非のみならず、3階の壁面後退が南側だけされて
→ 3階壁面後退部分を1階まで後退させ、自主的にセットバックしているとの事である。
⑤協議は実質まだ1回に満たないのが、あれから数か月たった今日の姿なのです。
→自治会の会長事務局同席している協議には3回出席しているとの事である。

 

まだ他にも色々お聞きしているが、施主側の主張が正しいのか?陳情提出者側の主張が正しいのか?我々が判断出来るものではないが、文面の内容からして、少なくとも両側の意見を聞いて審査をするべき内容であり、もし施主側が言われている事が正しい点があったとすれば、陳情書に虚偽を記載した事になり、大いに問題があると考えられる。

 

以上、3っつの観点から申し上げたが、訴訟に発展しかねない状況があり、採択すれば議会がその責任を問われるものであり、大変懸念するところである。

 

 

更に今後に向けて、災害やその他有事に備える為に考えておくべき視点を申し添えておく。

 

津波への対応として重要なのは高い所に逃げると言う視点である事はもはや言うまでもない。
東日本大震災で南三陸佐藤町長から直接お聞きした話で申し上げると、南三陸町は学者が策定した津波の想定は9mだったので、それにあわせて防災庁舎を建てた。しかしこんな事になってしまった。と言われていた。町長は3階建の屋上にあったアンテナに登り助かったが、屋上にいた職員は助からなかった。
想定外の事が起こった、想定など信じてはいけない、学者は責任などとってはくれない。鎌倉に帰ったらその点を考えて備えて下さい、とおっしゃっていた事が今でも頭の中に強く残っている。

 

また、女川町の商工会議所のビルは4階建。数少ない残った建物であったが、その屋上のフェンスにつかまり腰まで水につかって命からがら生き延びた方には何度もお会いしてお話しをお聞きしている。

 

このお二人はほんのわずかな高さの違いで命が助かった方である事を我々は良く考えるべき事例である。

 

他にも沢山の命が救われた方の事例をお聞きしているが、津波への対処は高い所に逃げると言う点しかない事を今一度冷静に考えいただきたい。また、大規模な地震が発生した場合パニックになるので冷静に考えて避難行動などできないと言う事を多くの被災者の方からお聞きしている点も重要である。

 

次に災害や有事の時の食の確保について申し上げておく。
皆様は神奈川県の食品自給率は何パーセントかご存知であろうか?たった2%しかないのである。
災害や有事の時に物流が止まった場合にどうなるか?よく考えていただきたい。
東日本大震災時には孤立した集落では餓死者が出たとと言う話しもお聞きしているぐらいであり、当たり前のようにスーパーで食料が手に入る状況になるとは限らず、都市部ではかなり厳しい状況になる事は容易に想像出来る事である。
その時に家庭菜園があればどうであろうか?
勿論、安全で新鮮な野菜を普段から食べる事は、健康の為には非常に良い事であるので、家庭菜園は推奨するべき事であるが、災害や有事の時に命を繋ぐ存在になるものであると考える。

 

自分の命と健康は自分で守る、その視点を他人が介入してダメだと言う事が出来るであろうか?
これは私の独自の視点であるが、重要な視点であり、皆様が見落としている視点であると考えるので、ぜひお考えいただきたい。

 

「過ぎたるは及ばざるが如し」何事もバランスが大事です。
自治会という公的役割を持った団体ならば民主的に公平に行う事が重要です。
行き過ぎの主張は権利侵害に発展します。
今回の陳情は疑義を持たざるを得ない内容であったので反対とする。

 

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鎌倉市議会令和5年12月定例会長嶋質疑動画集

街中チェックシリーズ

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